Boeing 737-800に乗りたいP訓練生のブログ

現在ニュージーランドでパイロットの訓練をする若者のブログ

すんごいなぁ。と思った話。

そのまんま。東。

いや、そのまま、すごいなぁと思った話です。

 皆様ごぶさたです。私生きておりました。しんみり。

書きたいネタもいくつかあるのですが、話に決着がついておらず、まだ進展がありそうなのでネタについてはそのうち書きましょう。

それ以外は、ライセンスの書き換えに伴う暇つぶしと称した仕事をしているか、試験勉強をしているかで、特に面白みのあることが日々の日常ではあまりないのでブログは放置気味でした。

 

やっぱり書かねば。と思ったので一つ思いついたネタを書くことにしました。

で、「すんごいなぁ」と思った話です。

 

私以前に、それこそ東京に行ってまいりました。事業用操縦士の学科試験を受けに、です。行きは青い航空会社で。帰りは黄色い航空会社で。

で行きに乗った青い航空会社でのことです。彼らは4月だかから機内でwi-fiが使えるようになって、手元のiPhoneやらiPadやらで従来のフライトマップ的な感じで自分の現在地や高度なんかを知ることができるようになったわけです。今まではネットの情報っていうのは機内では手に入らなかった訳ですから。

 

で、まぁ速さなんかも含めて「機内のwifiこんな感じか、ホウホウ」と使っていて、四六時中 Flight Radar24を見ていると、自分の飛行機はまさかのそこそこ低い高度を飛んでいるではありませんか。おかげで地上の物標がよく見えるではありませんか。三沢基地もあんなにくっきり見えたのは初めてです。

 

特にジェット機は、ある空気量に対して燃料を混ぜているので、空気が多ければ燃料も多く必要になります。例えて言うなら、中ジョッキ3杯飲んだ人に対してグラスの水2杯渡して飲ませるみたいな。中ジョッキ1杯なら水も0.5杯でいいでしょ。っていう考え方に似てます。

 

燃料は人件費バリにお金がかかるものなので、できれば減らしたいのです。なので、早く高く、というのがジェット機の運航では大切になってきます。燃料減らせる方が地球にもお客さんのお財布にも会社にも優しいのです。国内線で1時間30分くらいのルートだとおそらく30,000ft以上を飛んでいると思いますが、当該機は本当に低かった。24,000ftとかそんなんだったと思います。パイロットが何かこういう選択をするのには理由があるので、きっと天候系の理由なんだろうなぁと思っておりました。まぁ向かい風が強いとか。揺れるとか。

 

機内の窓から遥か上空を見るも、特に怪しい雲は張っていない。それどころか、FR24で確認した同じ東京行きの赤い飛行機は普通に36,000ftくらいを飛んでいる。その次便に至っては38,000ftくらいを飛んでる。だとすれば、この飛行機は察するに、管制上の都合でその高度が取れなかったわけでもなく、天候の理由でもない別の何か他の理由でこういった選択をしているのだと思ったのです。

 

GS(Ground Speed = 対地速度)を見るも、後ろの赤い飛行機と大差がない。ということはやはり向かい風などではない。なんでこんな所飛んでるんだ?と。

 

その青い飛行機はもともとの定刻から30分遅れていて、そしてその赤い飛行機と間隔を詰めて(実際には上下があるのであれですが)飛行していたのです。赤い飛行機は定刻だったのか覚えていませんが、自分たちの飛行機が離陸する時に赤い飛行機はすぐ後ろにいたので、ほぼ同じ離陸の時刻だと考えて大丈夫なはずです。

 

羽田に向かい、茨城くらいに差し掛かった頃にかけてもずーっとFR24で自機の位置を見ていると、後ろの飛行機が変な動きをし始めたのです。ん?CBでも避けてんのか?だがしかし待て。怪しい雲はなかったはずだし...なんなんだ?と思っていると、様子が明らかになってきました。

グネグネ飛行し始めたので、これは完全に羽田のアプローチに対する間隔作りだ。と。それでベクターを受けてこんな動きをしてるのかとわかりました。一方、自機はほぼ直線ルートで高度を下げ始め、そのまま羽田へと向かって行きました。つまり赤い飛行機とは違って、ベクターなど受けず、最短ルートで羽田へ向かって千葉からそのまま34に向けて降りていけたのです。

 

赤い飛行機はなぜそんな風に間隔を作っているのかと思いきや、その前にアメリカンともう1機(忘れましたが)を割り込みさせるためのものでした。

 

あくまで推測ですが、このパイロットや運航管理をしている人たちは、こういう過程のもと、こういう判断に至ったのではないかと思うのです。

 

1. 別に天気がほぼ一定ならどこをとんでも良くね?

→じゃあ燃費さえ気にしなければ別に低くても良いんだよね。

 

2. 遅れてるよね

→じゃあ早く着かなくちゃいけないよね。追い風成分がどこも一緒なら低くても良くね?それに、高ければ高いほど、降下にも時間がかかるし手間増えるよね

 

3. 羽田混んでるよね

→だったら早く降りてさっさとアプローチできるような高さにいた方がいいんじゃね?

 

という判断で、あんなに低い所を飛んでいたのかもしれないと思ったわけです。で、なければ、経済的な不利な条件をパイロットが選ぶメリットがないですから。

 

安全性は均一でいつも最高の安全性が保たれていなければいけない。

定時性は会社として売るべきものの一つ。

快適性も同じように。

そして、いろんなものに優しく経済性を取る。

 

ここで安全性は一緒です。快適性もどこを飛んでも一緒です。となると、やはり自ずと守るべきは定時性。なおのこと遅れてるのであれば遅れを取り戻そうとするのは定期運送業としては当然。だったらこういう判断をするのは何もおかしくはない、と思うわけです。

 

お陰様で乗る時は30分遅れていたものが、降りる時には15分に縮まっていました。逆に定時で出発した後続機が20分近い遅れを叩き出していました。飛ぶ高度、まぁそれに加えて運やタイミングっていうのも当然あるだろうし、自分の前に別の飛行機が2機組み入れられるっていうのは自己の判断ではできないことでしょうが、それをさせないようなフライト作りをした、運航管理の人とパイロットの判断力、計画性と誰にも気づかれずちょっとの幸せを作るために甚大な努力に拍手を送りたいと思ったのです。この推測が間違っていようと、会ってようと、遅れが縮まったことは事実です。

 

誰かが言ってたように、電気が当たり前に使えることに対して拍手を送る人はいません。なぜなら当たり前だからです。あって、当たり前。

だけど、それをすんごい努力と管理と維持で、提供してるすごい人達がいる。そういうように、パイロットや運航管理の人たちも、誰にも気づかれず、当たり前。1400時着と書かれているものが1400には到着できているように日々変わる環境のなかで最善を作るべく努力をする。ほんと、あっぱれです。

 

私は日本では飛んだことがないし、定期運送業がなにかも知らない。どんな人達が操縦し、どんな人達がフライトプランを作っているのかも知らない。だからデカイことは言えないのですが、彼らが頭抱えて「どーしよー」って言いながらベストを尽くしているその事だけでも拍手モノだと思います。

 

そんなすごい人達がいる環境で、いろんなこと学んでそれに近付こうと努力していくって、いいなぁ。と思います。はやくエアラインに行きたいです。

 

おわり。